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子宮頸がんについて
子宮頸がんとは?
がん検診などで“子宮がん”という言葉を耳にしたことがある方も多いと思いますが、子宮がんは子宮体部にできるがん(子宮体がん)と子宮頸部にできるがん(子宮頸がん)に分けられます。
そして子宮頸がんとは子宮頸部(子宮の入り口)にできるがんのことで、初めは上皮の中にとどまっているものの、進行するにつれて子宮の筋肉や膣、骨盤内のリンパ節におよんだりします。
子宮頸がんの原因は?
他のがんと違い、子宮頸がんは原因がはっきりとわかっています。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こり、主な感染経路は性行為です。
そしてヒトパピローマウイルスの感染はとてもありふれたことで、性行為の経験がある「女性の80%以上が生涯に一度は感染する」と言われています。
ただし、ヒトパピローマウイルスに感染するとすぐにがんになるというわけではなく、多くの場合、免疫機能によりウイルスが排除されます。
ですが、一部のケースでウイルスが排除されずに子宮頸部に残る場合があり、異形成(がんになる前の状態)を経て数年以上かけて子宮頸がんとなっていきます。
子宮頸がんの症状は?
初期の子宮頸がんでは自覚症状がほとんど現れないため、早期発見のためには年1回の定期的な検診の受診が大切です。
進行していくと不正出血や性行為後の出血、おりものの異常、月経量が増える、生理期間が長引くなどの症状が現れるようになります。
このような異変をお感じになられた時は、そのままにせずに早めに産婦人科へ相談するようにしましょう。
こんな症状はありませんか?
- 不正出血
- 性行為後の出血
- おりものの異常
- 月経量が増える
- 下腹部痛
- 腰や背中が痛い
- 生理期間が長引く
など
このような症状に気づいた時は、すぐに熊本市西区のすえなが婦人科・産科クリニックへご連絡ください。
子宮頸がんのステージ
子宮頸がんは進行度に応じて次のようなステージに分類されています。
ステージ | 病変の状態 |
---|---|
Ⅰ期 | 子宮のみにがんが認められる |
ⅠA期 | 生検のみでがんが診断できる |
ⅠA1期 | 浸潤の深さが3mm以内 |
ⅠA2期 | 浸潤の深さが3㎜超5mm以内 |
ⅠB期 | 肉眼で病変が確認できる |
ⅠB1期 | がんの大きさが4cm以内 |
ⅠB2期 | がんの大きさが4cm超 |
Ⅱ期 | がんが膣または子宮のまわりの組織に広がっているものの、進展が高度ではない |
ⅡA期 | がんが膣に進展 |
ⅡA1期 | がんの大きさが4cm以内 |
ⅡA2期 | がんの大きさが4cm超 |
ⅡB期 | がんが子宮傍組織に広がる |
Ⅲ期 | がんが膣または子宮のまわりの組織に広がり、進展が高度 |
ⅢA期 | がんが外陰部の1/3まで進展 |
ⅢB期 | がんが子宮傍組織に広がり、骨盤壁に達している |
Ⅳ期 | がんが膀胱、直腸に進展、または遠隔転移を起こしている |
ⅣA期 | がんが膀胱粘膜や直腸粘膜に進展 |
ⅣB期 | 肺や肝臓などに遠隔転移 |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
子宮頸がんの検査
熊本市の子宮がん検診では子宮頸部(子宮の入り口)を綿棒でこすり、検体を採取して異常な細胞がないか確認する“細胞診”が行われます。
その結果、子宮頸がんが疑われる場合には、組織検査やコルポスコープ診(腟拡大鏡を使った検査)などの精密検査が行われます。
その他、経膣エコーなどの検査も実施して的確に病変を診断します。
細胞診
子宮頸部を綿棒でこすり、検体を採取して異常な細胞がないか確認。
組織検査
細胞診で異常が見つかった場合、疑わしい組織の一部を採取して生検。
コルポスコープ診
腟拡大鏡を使って子宮頸部の粘膜を詳細に観察。
経膣エコー
プローブ(探触子)を挿入して子宮や卵巣などを観察。
子宮頸がんの治療
子宮を残すためのレーザー治療
子宮頸がんは異形成(がんになる前の状態)を経てがんとなるため、検査により早期発見できた場合、CO2レーザーを使った子宮頸部レーザー蒸散術で子宮を残して治療することが可能です。
当クリニックではこの子宮頸部レーザー蒸散術に対応していますので、お体への負担を抑えて治療するためにも、後の妊娠に影響をおよぼさないようにするためにも、年1回の定期検診を受けて早期発見・早期治療に繋げるようにしましょう。
子宮頸がんを予防するために
年1回の定期検診が重要です
子宮頸がんは“予防接種で防げる唯一のがん”ですが、昨今のワクチンの副反応の問題により、接種率は低下し続けています。
それでも、“20~30代という若い方でがんが見つかる”という痛ましいケースを目の当たりにするたびに、子宮頸がんワクチン接種の重要性を再確認する次第です。
ワクチン接種について色々な考え方がありますが、“やはり子宮頸がんワクチンの接種は重要”というのが当クリニックのスタンスです。
どうしても副反応が心配で、ワクチン接種できないというなら、せめて年1回の検診だけは受けていただきたいです。
日本はワクチン後進国と言え、不安に思うお気持ちはよく理解できますが、そういう理由でワクチン接種を受けないのであれば、“せめて検診だけでも”という思いがあります。
これはワクチン接種を受けられた方も同様で、ワクチンを打った方にも年1回の定期検診をおすすめして、子宮頸がんの早期発見・早期治療に繋げていただきたいと思っています。