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院長紹介
院長
末永 義人
経歴
- 平成2年3月
- 久留米大学医学部 卒業
- 平成2年5月
- 熊本大学医学部附属病院産科婦人科勤務
- 平成8年4月
- 三井大牟田病院産婦人科勤務
- 平成9年4月
- 荒尾市民病院産婦人科勤務
- 平成10年4月
- 熊本大学医学部附属病院産科婦人科勤務
- 平成15年3月
- 小国公立病院産婦人科勤務
- 平成17年4月
- 末永産婦人科医院勤務
- 平成27年6月
- 末永産婦人科医院理事長就任
資格
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
院長インタビュー
子宮頸がんワクチンを
接種した人も、そうでない方も
早期発見・早期治療のために
年1回の定期検診が大事
INTERVIEW 01
子宮頸がんの予防・早期発見に
力を入れていますが、子宮頸がんについて
患者さんに知っておいて
ほしいことはありますか?
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することで起こり、性行為の経験があれば誰でも感染する可能性があります。
ですが、子宮頸がんはワクチンで予防できる唯一のがんです。
日本ではその点があまり周知されておらず、多くの方にアピールできていないのではないかと思っています。
また昨今のワクチンの副反応問題で、ワクチン接種率は確実に下がっています。
それでも2020年に肛門がんや尖圭コンジローマの予防を目的として、男性(9歳以上)にもワクチンの適用が拡大されたことから、今後はワクチン接種が増えていくのではないかと期待しています。
ただし「子宮頸がんワクチンを接種すればいい」というわけではなく、ワクチン接種後も年1回の定期検診を受けることが大事です。
そして子宮頸がんワクチンに不安があるのであれば、せめて年1回の定期検診だけは受けていただきたいと思っています。
INTERVIEW 02
子宮頸がんの早期発見の重要性は?
子宮頸がんは発症する部位が限られていて、“見落としが少ないがん”と言えます。
そして、年1回の定期検診によりがんになる前の段階(異形成)で発見できれば、レーザーなどで治療できます。
前がん状態であれば日帰りで治療でき、当クリニックが行っている子宮頸部レーザー蒸散術も日帰りで受けていただけます。
なお、同じ前がん状態に対する治療方法である子宮頸部円錐切除術の場合、数日程度の入院が必要になります。
開業前からレーザー治療の
経験を重ねてきました
豊富な実績がありますので
安心してお任せください
INTERVIEW 03
子宮頸部レーザー蒸散術を
始めたきっかけは?
末永産婦人科医院を開院する前、大学病院に勤めていた時からずっと子宮頸部レーザー蒸散術を行ってきていて、開院後も年間20人くらいの患者さんに治療を行っています。
大学病院で専門的な指導を受け、以前から子宮頸部レーザー蒸散術を行っており、“開業して初めてレーザー治療を行う”というわけではないので、安心してお任せいただければと思います。
INTERVIEW 04
子宮頸部レーザー蒸散術は
どのステージまで対応可能ですか?
基本的に当クリニックでは、0期(子宮頸部上皮内腫瘍:CIN)の上皮にとどまったステージまで対応しています。
前がん状態に対する治療として、子宮頸部レーザー蒸散術以外にも子宮頸部円錐切除術という方法があるとお話ししましたが、現在、日本では子宮頸部円錐切除術の方がスタンダードな治療となります。
ただし、先ほどもお伝えした通り、子宮頸部円錐切除術では入院が必要になりますし、子宮の入り口を円錐形に切除してしまうので、その後、妊娠をした場合に早産・流産・難産のリスクが高くなるとされています。
こうした患者さんへの負担やリスクから、レーザー治療が見直されるようになっています。
INTERVIEW 05
子宮頸部レーザー蒸散術の
メリットは?
治療時間が15~20分程度と短く、日帰りで受けていただけます。
痛みや出血も少ない、患者さんへの負担が少ない治療方法です。
そしてこれが一番のメリットなのですが、子宮が温存できることです。
子宮頸部円錐切除術の場合、子宮の入り口(子宮頸部)を円錐形にくり抜くことになるため、子宮頸部が短縮してその後の妊娠で流産や早産のリスクが高まります。
INTERVIEW 06
反対にデメリットはありますか?
子宮頸部レーザー蒸散術のデメリットは、「子宮頸部円錐切除術のメリットと逆になる」と言えます。
例えば、子宮頸部円錐切除術は子宮の入り口を広範囲切除するため、正確な病理診断が可能になりますが、子宮頸部レーザー蒸散術は蒸散してしまうので、あとになって「どこにどんな病気があったのか」ということを客観的に評価することが難しいです。
だからこそ、子宮頸部レーザー蒸散術を行う前にしっかりと診断しなければならず、この治療において一番大切なことと言えます。
逆に言うと、事前にきちんと診断していれば、子宮頸部レーザー蒸散術のデメリットはカバーできると思っています。
お一人おひとりにトータルな検診を
レーザーで負担を抑えて
がんへの進行を防ぐ
INTERVIEW 07
定期的ながん検診を推奨されて
いますが、定期検診の重要性について
どのようにお考えですか?
子宮頸がんワクチンの副作用が話題になっていますが、それを不安に思ってワクチン接種を受けない方の定期的な検診の受診が大事だと考えています。
またワクチン接種の補助が受けられない方は、5~6万円かけて自費で接種しなければいけないため、20~30代の方でワクチン接種を受ける人は少ないのではないかと思っています。
こうした現状があるからこそ、子宮頸がんを早期発見するために定期検診は重要です。
ただ、検診という形ではありますが、当クリニックでは子宮頸がん検診、子宮体がん検診、卵巣がん検診と通り一遍の検診ではなく、子宮頸部の細胞診、子宮内膜の細胞診、超音波検診などを行い、卵巣・子宮の状態、筋腫・内膜症の有無などをトータルで診ていくことを大切にしています。
“誰でも・どこでも同じ検査が受けられる”のが一般的な検診の形だと言えますが、当クリニックでは1つ1つ丁寧に診て、お一人おひとりに必要な検査を行うトータルな検診です。
なので、画一的な検査内容ではなく、その方に合ったものをご提案するようにしています。
INTERVIEW 08
最後に、サイトをご覧の方に
メッセージをお願いします
当クリニックとしては、子宮頸がんの異形成に対しては子宮頸部レーザー蒸散術をおすすめしていますが、これがすべてにおいて良いかと言うと、そうではありません。
すでにお伝えした通り、デメリットもあります。
そして子宮頸部円錐切除術にも利点はあります。
ただ、「子宮頸部円錐切除術ではなく、レーザーで負担を抑えて治療できたのに」というケースがありますので、それを防ぐためにもまずは一度ご相談いただき、ご自身にとって最善の治療方法を選択していただければと思います。